昼下がりのデート

出会い系で知り合った四十路主婦ナナさんと、昼間に会った。

何だか久しぶりと笑顔の彼女。

一週間じゃない俺に会いたかった?

今日は生理と言ってた彼女と、映画館に行った。

毎日ラインでやり取りした結果、キングスマンを見ることになっていた。

映画の内容は、爽快なスパイアクション物だった。

エンドロールで彼女の手を握って、軽くキスする。

彼女が俺を離さない。

たってしまうだろ俺が唇を離して言うと、彼女は笑った。

まだ時間ある?と俺。

子供が学校から帰ってくるけど、少しなら

映画館を出てカフェに入る。

面白かったねーと話し合う。

でもよく考えたら、きっと君と見たら何でも楽しいよ。

来週は平日に午後休をとるよラブホに行こう。

何か私の都合ばかりに合わせてもらって、ごめんね

君と会いたいのは俺だから、お願い。謝らないで

前回深夜に及ぶデート1/10記事を旦那にとがめられた彼女を、無理はさせられない。

ゆっくり会いたいわと、彼女は長い睫毛を伏せる。でも、俺は待つよ。

女という性を持ったまま、母親という役割を生きている今の私がどういう気持ちを抱えて生きてるか、わかる?と彼女が俺を見た。

いっそ俺にころがりこむか

バカ。哲さんと今は、ゆっくり会いたいだけ。折りを見て、また夜にデートして

喜んで

貴方は夫と3人の子供までいる私を、大事にしてくれる

当たり前でしょ最初からわかってたし。

あー、ゆっくり会いたいと彼女が伸びをする。

短いデートだと、相手の悪い面まで見えないというメリットはあると俺。

まあ、前向きね。そういうの、好きよ

せっかくだから、前向きにいきたいね

そうね。キングスマンみたいに

お、いいね。キングスマンは、絶対に諦めなかった

うん、またね

彼女が時計を見て、私鉄の駅に急いだ。

俺は見送ると、地下鉄に向かった。

彼女が早く旦那の信用を得て、夜にシッポリ会いたいが、それまでは昼間のデートを楽しもう。

浮き立つような気分の俺には、夕方のラッシュがちっとも不快ではなかった。

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